すいむの日記

こころのぼやき

友達がこの世からいなくなってた話

突然の出来事だった。

予備校の先生に呼ばれたのに、予備校ではなく近所のスーパーで待ち合わせた。人も車もわさわさ行き交う駐車場で、こう知らされた。

「連絡が取れてなかった彼女、3月に死んでたんだって」

暖かい日が続く沖縄で、とてもとても寒い日だったのを覚えている。

 

その友達の親族が「あまりこのことを広めないでほしい」と話していると聞いたので、親や共通の友人に会うことはあったが話すことができずにいた。けれども誰にも話せないことが原因で、ひとりになると涙が止まらないことがなんどもあった。
誰なのかわからないようにネットに書いておくくらいならいいよね、と思って、その友達と私の思い出を書いてみる。

f:id:swimu:20190121135442j:plain

友達と一緒に見た海の写真

 

彼女は高校は違ったが、予備校で一緒に話したり勉強しているうちに仲良くなった友達だった。

なぜ私がその友達のことを忘れられずにいるか、といったら、その子が私にはできそうもないことを簡単にやりのけてしまうところが、うらやましいとか、すごいとか思っていたからなのかもしれない。
その友達は大学から県外に出ていたけれども「陸路で帰省する!」と言って青春18切符と友達の家を渡り歩きながらフェリーで沖縄に帰ってきた。「バレンタインデーのチョコだよ」っていいながらカカオマスから作ったチョコレートをプレゼントされた時はびっくりした。あまり甘くはなかったけどとても嬉しかった。
そのほかにも色々やってのけてしまうことをTwitterにアップしていて、彼女の更新を楽しみにしていた。
そのほかにも、友達は親とうまくいっていなくて、大変なこともあるけど自立できるようにやりくりしていて、話を聞くことだけしかできなかったけれども応援していた。

 

最後に彼女に会ったのは去年の今ごろ、帰省したと聞いて新年会を開いたときだった。

 友達はちょうど20歳になったばかりでやっと一緒にお酒を飲めるということで、知り合いや予備校の先生も呼んで小さな新年会をした。ほぼ1年ぶりに会ったということもあって、大学であったことや成人式のこと、気になる人、その他諸々、酒の勢いにまかせていろいろ話しした。
春休みは帰省する?と聞いた時に、そのときに、3月に旅行で海外に行くから帰省しない予定だよ、と嬉しそうに話をしていた。はじめて海外へ行くって話をしていたから、英語の勉強頑張れとか、wi-fiルータ借りればgoogle翻訳で意外と通せるよとか、海外行った時の経験を話したりして盛り上がって、次会った時その話聞かせてとか言って、このときは解散した。

その海外で、突然亡くなるなんて思ってなかったから。

 友達の旅行中もTwitterの更新は続いていた。けれども、ある日を境に更新が止まってしまった。その時は、持っていた携帯をスられたか壊したかしたんだろうな、と気にもとめずにいた。その後何日も何週間も更新されないTwitterを見て、パスワード忘れちゃたんだろうな、とか思っていた。連絡手段がTwitterとFBしかなかったから、連絡がとれなくてもどこかで元気にやってて、会いたくなったら連絡がくるだろうと気楽に構えていた。まさか亡くなっていると思ってないから。

 このとき、執拗に連絡をとっていれば、もっと早く知ることができていたのかな。

友達と連絡が取れなくなっても、日々のちょっとしたところで彼女を思い出すことがちらほらあった。彼女はポケモンが好きだったから、彼女が好きなポケモンのキャラをみるたびに、元気かな?と思うことがあったりした。見た目に合わず戦闘機が好きだったので、12月に行ったエアーフェスタの写真を今度会った時見せなきゃとか思ったりとかしてた。亡くなってるなんて思ってなかったから。

なんで連絡もっと取ってなかったんだろう。「便りがないのは元気な証」って違うんだな。

 

友達の訃報を知った時、人間て本当に信じられないことがあると受け入れられないんだなと思ったりしてた。連絡が取れなかったこととか、Twitterが更新されてなかったこととか、彼女が亡くなった後の話を伝え聞くうちに、本当のことなんだな、と受け入れざるをえなかった。

この世の中にここまで信じられなくて、信じたくないことはあるんだなとか、どんだけ頑張っても死んだら何も残らないんだなとか、とても無気力な日々が続いて、車を一人で運転していても涙が止まらなかった。研究が全く進まなくなった。

悲しんでいる間にも1日1日は過ぎていった。

 

けれどもそんな悲しさを、忘れさせてくれたのは他の友達だった。通話しながらゲームしたり、Twitterでやりとりしていたときや、一緒にご飯を食べている時、おしゃべりしているとき、飲み会でワーワー騒いでいる間は、悲しいことを忘れることができていた。

この前の新年会で、いつものメンバーと飲み会をしたときのこと。ふと、今のメンバーと突然連絡が取れなくなるのはいやだ、という気持ちが込み上げてきてしまいLINE交換をした痕跡がある。
 その後泣きじゃくって、友達が亡くなって毎日が辛いと誰かに話もしたような気がする。ちょうど、彼女が亡くなったことを知らされたスーパーの近くでの飲み会だった。

とても時間は掛かったけど、話せるくらい、こうやって文章に書くことができるくらい、立ち直ることができてきた。

 

友達が亡くなってそろそろ1年が経つ。彼女が亡くなった時には、お別れの会とか、葬式とかは開かなかったらしい。聞いた以上は1年忌のようなものを、このことを知っている友人達で勝手に開こうかという話をしている。

『彼女が好きだった食べ物をガンガン食べまくる会』。

のこされた人が前を向いて踏ん切りをつけるために、お別れの機会ってあるんだろうなとか思いながら、企画している。

 

少しづつ前を向いて、彼女の分までって言うとすこし寂しいけど、長生きして頑張っていこうとおもっている。